HP > 本講座概要
[もどる]

本講座概要




機械は製造装置と運搬装置に大別できるが,いずれの機械装置においてもそれらの機能および性能を支える燃料・冷却・潤滑などに用いる流体を運ぶ配管システムは人間の血管に相当し,極めて重要な役割を果たしている。装置本体設計における機能・性能に対する高効率化や最適化などのテクノロジー的検討は十分行われてきたが,付属の配管システムに対しては,十分なテクノロジー的検討を加えられないまま現在に至っている。今後,地球温暖化や資源の枯渇への対応としてCO低減や省エネルギー化あるいは材料無駄の削減を推進するには,配管システムの最適構成や構成要素に対する新しいコンセプトの“モノづくり”の最適化にチャレンジすることにより,これまで以上の成果が期待できる。それには,管・継手・バルブなどの要素の最適モノづくりと流体抵抗・振動・制御性・保全性などの視点でのロバスト設計との融合により配管システムの最適化をはかることが重要である。

そこで,相互的な機能・性能の最適化に基づく新しいコンセプトの“モノづくり”の技術開発を行うため,理工学研究科に新加工技術の創成サイエンス講座(寄附者:イハラサイエンス株式会社)を新設し,流体力学,機械力学,材料強度学,塑性加工学の研究を横串とするプロジェクト研究チームを組織して第1期3年間,共同研究を進めてきた。この産学連携研究を通して将来期待できる研究のシーズも発掘でき,現状技術の課題解決にも対応できた。これらの経験を活かし,第2期には愛媛大学における学際研究の更なる活発化とレベルアップに繋いでいきたい。

愛媛大学 特命教授・名誉教授
本講座統括責任 岡部永年

[もどる]
Last modified: 2012-05-30T17:40:00+09:00
Copyright © 2010-2012 新加工技術の創成サイエンス講座 All rights reserved.