研究テーマの紹介

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本年度の研究テーマは以下のとおりです. ご意見・ご質問はこちらまでお願いいたします.


界面活性剤水溶液流れにおける寸法効果の影響に関する研究

界面活性剤水溶液を流体中に添加すると,流動抵抗が小さくなることが知られています. この特性を利用して,空調で利用されている熱交換用流体には界面活性剤が使われ始めています.

一般に,ふつうの流体ではレイノルズ数と呼ばれるパラメータを一致させるとどんな大きさの管路でも管摩擦係数という無次元量が一致します. (これは流れの相似則の一例と言えます.) しかし,界面活性剤の場合はレイノルズ数が等しくても管路の大きさが違うと管摩擦係数が異なるようです. そこで本研究では,異なる大きさの管路での管摩擦係数を測定し,レイノルズ数以外に管摩擦係数を決めているパラメータは何かを調べることを目的としています.

今年度はパラメータの推定に十分なデータ収集を行います.

管摩擦係数の一例
管摩擦係数の一例(その1)
管摩擦係数の一例
管摩擦係数の一例(その2)
実験装置模式図
実験装置模式図


曲がり円管における案内羽根の整流効果に関する研究

曲がっている流路では,流体(空気,水など)に遠心力が働きます. この遠心力とつり合いをとるために壁面の圧力が変化します. しかし,管壁付近では遠心力が小さいのでつり合いが崩れ,曲がりの外側から内側へと管壁に沿う流れが生じます. その結果,図1のような流れ(二次流れ)が断面内で発生します. この流れによりエネルギーロスが生じますが,その量は曲がりが強いほど大きくなります. また曲がり部を過ぎた後でも,二次流れはすぐには消えません.(図2)

曲がり部での二次流れをなるべく弱くするために,曲がり部に図3のような案内羽根を設置する方法があります. しかし,管内の流れに及ぼす影響を詳細に調べている研究はほとんどありません. 本研究では管内の流速を測ることで,案内羽根が及ぼす流れへの影響を調べまています. また,実際の流れは様々な流路状況により,旋回している場合があります. そこで本年度は,一定の旋回強さを与えた流れ場の様子も調べます.

曲がり部断面内の流れ
図1 曲がり部断面内の流れ
壁面静圧の軸方向推移
図2 壁面静圧の軸方向推移
案内羽根
図3 案内羽根


非一様なハブ面を有する遠心羽根車の特性評価

遠心羽根車では,羽根と羽根の間で複雑な流れが起こっており,その流れが出口で合流すると大きなエネルギーロスが生まれます. 複雑な流れを抑えるために,羽根を傾けたりする処置がとられています. しかし,羽根車が小型化するとこのような処置は難しくなります. そこで,本研究では2次元的な加工で複雑な流れを抑えるべく,羽根車のハブ面に滑らかな凹凸をつけることを試みています.

今年度はより多くの凹凸パターンについて調査します.

実験装置模式図
実験装置模式図
油点法
油点法の結果(標準羽根車)
油点法
油点法の結果(非一様羽根車)


各種配管要素を流れる界面活性剤水溶液の乱れ生成機構に関する研究

界面活性剤水溶液を流体中に添加すると,流動抵抗が小さくなることが知られています. この特性を利用して,空調で利用されている熱交換用流体には界面活性剤が使われ始めています. 本研究では各種配管要素における界面活性剤水溶液の流速分布,圧力分布を調べ, 界面活性剤水溶液の乱れの作られ方を考察することにより流動抵抗低減の原因を調べています.

今年度は曲がり管内での界面活性剤水溶液のふるまいを調べます.

抵抗低減率
抵抗低減率
実験装置模式図
実験装置模式図


界面活性剤水溶液流れにおける乱れ混合過程の可視化

昨年度までの研究により,界面活性剤水溶液には独特の乱れ生成状態があることが確認されました. この独特の乱れがどのようにして生成,維持されているかを検討するため,可視化用のレオメータを製作し, 流れに発生する渦の様子から原因を調べます.

乱れの生成状態
乱れの生成状態
左が水の場合,右が界面活性剤水溶液の場合
実験装置模式図
実験装置模式図


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LAST UPDATE: 2007/4/30