小型・軽量なウェアラブルセンサを身体に装着し、人間の動作を高精度に認識する技術の開発に取り組んでいます。
本研究の大きな特徴は、できるだけ少ないセンサで高精度な姿勢推定を実現することです。従来のシステムでは身体の多数の箇所にセンサを装着する必要がありましたが、機械学習技術を活用することで、わずか数個のセンサから全身の動作を推定することが可能になります。これにより、ユーザーの負担を大幅に軽減し、日常生活での長時間使用を実現しています。
下の図は腰部のたった一つのセンサから、関節角度をリアルタイムで推定している様子を示しています。腰部に装着した単一のIMUセンサのデータのみを用いて、深層学習モデルが歩行中の各関節の動きを高精度に推定することができています。
医療・リハビリテーションへの応用
本研究の最終的な目標は、これらの技術をリハビリテーションや医療分野で実用化することです。関節置換術や脳卒中などで歩行機能に障害を持つ患者さんの回復過程を、ウェアラブルセンサで継続的にモニタリングすることで、リハビリの効果を客観的・定量的に評価できます。また、退院後の自宅でのリハビリにおいても、センサデータをもとに適切なフィードバックや遠隔指導を行うことが可能になります。